第2379回
■りょうさんからのＱ（質問）：派遣の心得について

邱永漢先生、いつもＨＰを楽しみに拝見しております。
今回は「働き方」について先生にお伺いさせて下さい。

「派遣切り」というキーワードで
連日、報道されておりますが、
いま短期労働者が次々と解雇されております。

しかし、世の中では
「その日暮らし」の方々も多く暮らしています。
その方々の労働力に
企業が支えられていることもあるかと思います。

邱先生の「働く」ということに対する考え方からご覧になって、
このような派遣労働者の方々は
どの様な心構えで日々を過ごしたら良いとお考えでしょうか。

よろしくお願いいたします。

■ＱさんからのＡ（答え）

日本では終身雇用と年功序列が、
日本的経営の特徴として称賛されたこともあります。
しかしそれでは国際競争に勝てないことは明らかですから、
どうするのかと見ておりましたら、
バブルのはじけたあと
結局人を減らさなくちゃいけなくなりました。
もし同じことを繰り返したら会社が成り立たなくなるので、
あとは必要な時だけ臨時に雇うか、
もしくは人材派遣会社から人を送り込んでもらう方法に
変えたんだと思います。

その場合、必要がなくなれば辞めてもらうことになります。
それが不公平だと言いますけど
不作の時は娘まで売った時代に比べると長進の進歩です。
今の日本は昔より随分豊かになったし、
派遣される方だって仕事を選ぶので、どちらも大変なんです。
私は政治家でもないし、どっちの味方でもありませんので、
どうしたらいいかと聞かれたら、
ちゃんとメシが食えるように努力して下さい、
と言うよりほかありません。
政治は弱い方の味方をしますが、世の中は自然淘汰をするものです。
淘汰に生き残れないのは動物でもみな死んでしまいますから、
死なないように自分が先頭に立って
努力をする必要があると思います。