中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2633回
■Q先生の一ファンさんからのQ(質問):円高は誰が何の目的で

先生、こんにちは。

円高の心配をする人が増えていますが、
景気の改善も見えない日本の円が高いのは、
日銀にも大臣にも人がいないという他に、
どんな理由が考えられるのでしょうか。
何処の国が円を買っているのでしょう。
中国とアメリカですか。

中国は莫大な円借款、
それも低利の借款で経済成長の基礎を築きました。
今回は、円を買って、日本企業を中国に引き寄せ、
高度技術を手に入れようとしているのでしょうか。
先端技術や高度技術を持っている
日本の中小企業は少なくありません。
彼らを日本から中国へ引き寄せ、
日本企業の競争力を更に削ぐ目的の様にも思えます。
中国元が高くなり、競争力が落ちるのは目に見えています。

円借款が現在の高度成長の為にどれだけ役立ったか、
近年まで、中国政府は人民に隠していました。
日本ほど中国に援助した国はありません。
それにも拘らず、今度は円高で日本企業の力を削ぎ、
技術を手に入れようと謀っているのでしょうか。


■QさんからのA(答え)

円高が日本の産業界に大きな影響をあたえることは
皆さんご存じの通りです。
だけどその円を中国が買っているとあなたはおっしゃいますけど、
私には初耳の出来事です。
ご自分だけが勝手に思い込んでいるんじゃないでしょうか。

世界中でドルやユーロを外貨として持っている国はありますけど、
円を外貨として持っているところはどこにもありません。
中国が2兆何千ドルも外貨を持っていることは公表されてますけど、
その後ろに円が隠されていると考えているのは、
あなたくらいじゃないでしょうか。
円が高いか安いかというのは中国とはあまり関係がありません。
今の財務大臣のように
「自然に任せておけばいい」なんて考える人がトップにいる限りは、
当分の間日本国中が頭が痛くなるでしょうね。
但し、そうは言っても長期的に見ると
だんだん円高になって行くと考えるよりは、
ドル安になっていると考える必要はあります。
こうした動きに日本の産業界がどう対処するかというのは、
もちろん重大な問題です。

日本ほど中国に援助の手をさしのべた国はないと
あなたはおっしゃいますが、
日本ほど中国をひどい目にあわせた国も
世界中にはないのです。


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2009年11月15日(日)

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