中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2941回
■うどさんからのQ(質問):中国の産業空洞化

先生の御本にもあるように商売をやって採算に乗るラインが
土地の上限価格だとすると、中国沿海都市部の不動産価格は
バブルといってよろしいのではないかと思いますが
日本のバブル期に比べてあまりにも
工業化の技術レベルが低いんじゃないかと思うんです。
例えばF1レースではホンダが常勝で、レースに負けた場合
すぐ新型エンジンを新たに開発して
また常勝を繰り返すといった具合でしたし、
スーパーコンピューターではNEC、富士通等が
世界最速を取ったり取られたりしていたと思います。

この早いバブルの到来の原因は世界中に氾濫しているドルと
ハゲタカが乱舞しだしてから世界中で行われている
投機熱だと考えますが、
このように投機的なマネーが瞬時に世界中を駆け巡るようになると
あっという間に資産インフレ、生産コスト上昇、
産業の空洞化となるのではないかと思います。
ハイQで「中国人は躊躇なく外国へ行く」と言って居りましたし
工業レベルが低い分
産業空洞化も早いのではなどと思ってしまいます。
内陸部でコスト上昇が始まれば
いきなりベトナム等に工場移転するオーナーも
多数いるのではないでしょうか?
先生のお考えでは中国の産業空洞化は
何年先位から始まるとお考えでしょうか?


■QさんからのA(答え)

中国の空洞化を心配するより、
日本の空洞化を心配した方がよろしいんじゃないでしょうか。
今の日本のように円高が続けば、
日本の輸出産業の半分以上が赤字になってしまいます。
では、どこへ行くかと言うと、
やはりこれから経済の発展する中国に行くのではでしょうか。
中国の空洞化はそれからうんと先のことであって、
あなたのようにその先の先まで読んだら
もう世の中でやることはなくなってしまうのではないでしょうか。

中国人が外国へ行くのは稼ぎに行くためであって、
外国のほうが商売をやるのに簡単だから
というわけではありません。
中国の中で生活をしていくのも容易なことではないのです。
まだ中国もこれからなのに、
その先のまた先の心配をするのは早すぎます。


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2010年9月19日(日)

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