至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第2回
皿の向こうのストーリー

おいしいもの、ひと、場所に関する
あれこれをお話するこのコーナー。
最初のお話は、おいしいものを作る人について。

昨年の春、私はイタリアで修業している
日本人コック24人に取材してきました。
ほんの20年あまり前まで、
真っ赤な「ナポリタン」や
缶詰マッシュルームがのった「ピザパイ」を
イタリア料理だと信じていた日本人が、
週に何度も「パスタ」を楽しむようになり
オリーブオイルが家庭に常備されるようになった今
ご当地イタリアには
食べたい日本人も、作りたい日本人も溢れています。

有名リストランテだけでなく
気軽なトラットリアやオステリアにもいます。
コックだけでなく
サーラ(フロア)でサービスをする
カメリエーレ(給仕。女性はカメリエーラという)や
ソムリエの勉強をしている若者も珍しくありません。

このイタリアで、ある男の子は
高校時代のアルバイト先だった
洋食屋のマスターに憧れてイタリア料理の道を選び、
自分の店を世界的に展開する夢をもっています。
ある女の子は、
通っていたお店の料理があまりにおいしくて
勤めていた銀行を辞めてここへ来ました。

……ということを、本でも書きましたが
ここで言いたいのは
皿の向こう側にもストーリーがある、ということです。
食べ手の私たちに、たとえば
記念日のディナーとか思い出のおふくろの味とか
いろんなストーリーがあるように、
作り手にもストーリーがある。
それが皿の上にのっかっているわけです。

そう思うと、もっと料理を、作った人を
知りたくなってしまいませんか?
もちろん、普通にお店のテーブルに着き
運ばれてきたお料理を食べるという接点だけでは
プロフィールまでわかるなんてことは無いのですが、
北イタリアで修業したのか、南が得意なシェフなのか
皿の向こう側を想像しながら
お料理をいただくのもまた、なかなか楽しいものです。

といっても、北とか南とかもわからないんですっ!
というかたも多いですよね。
そのお話はまた明日。


←前回記事へ 2003年12月23日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ