至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第64回
スペインのバルを求めて神楽坂へ

バルとは、カフェでありバーであり
スペインの人たちの社交場でもあるお店のこと。
本国では、カウンターにいろんな種類の
タパス(おつまみ)があって、そりゃあおいしい!
……という噂だけはサブリミナル的に聞くのですが
しかし、まだスペインへ行ったことの無い私が
向かう先は神楽坂『エル・カミーノ』。
しっかり食事もできますし、
スペインワインとタパスで軽く一杯、もOKです。

私にとってスペインのワインは
コストパフォーマンスに優れているのが魅力。
またしてもそれを再確認しました。

ちょっと前までバルの定番だったという
バンダ・アスールの1999年は
18ヶ月の樽熟成で、まろやかな
飲みやすいスタンダード〈グラス¥600〉。
カスターニョ・モナストレル 2002年は
少し甘みのある、やわらかな味わい〈グラス¥700〉。
ヴィーニャ・イサディ クリアンサ 1999年は
非常にエレガント〈グラス¥800〉。
ついでに
お隣の方がごちそうしてくれた
カルチェロ クリアンサ フミーリャ1998年は
太陽をいっぱい浴びた完熟葡萄を
ホワイトオークで1年熟成させたものだそうで
甘みと複雑な余韻がありました。

こうなると、ちょっとしたタパスが欲しくなる。
オリーブを注文すると、オーナーは
「量を少しにしましょうか」
と言ってくださり、
チーズを迷っていれば、今度はシェフが
「全種類食べたいならひとくちずつにしましょうか」
と声を掛けてくれました。
ひとり客にはこういう言葉がうれしい。
そして、オーナーとシェフが
同じ方向を向いている店なんだな、と感じました。

オーナーは太田一さん、シェフは今村真さん。
彼らは、それぞれ好きなサッカーチームの
ユニフォームを着ていて
兄弟みたいに
どこか似た空気が漂っています。
顔もなんだか似ているような気がしてきますが
実際は、以前同じ店で働いていた
先輩(太田さん)・後輩(今村さん)だとか。

料理は太田さんが10年ほど前、
奥さんに引っ張られるようにスペインへ行き
1年間、クルマで各地を回って
覚えたものが基本になっているそうです。
日本でこんなにスペインが注目される
ずっと前の話です。

「サン・セバスチャンでは
市場の周りにバルがズラリと並んでいて
イワシの酢漬け専門店があったり
各店によって個性がさまざまなんですよ。
客はそれぞれ自分の行きつけの店があるんです」
と太田さん。そして
「食べるのが好きなら、スペインに行かなくちゃ」
また、ここでも言われてしまいました。


■EL Camino(エル・カミーノ)
東京都新宿区神楽坂3-1 京花ビル2階 TEL 03-3266-0088
URL http://machi.goo.ne.jp/0332660088


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2004年3月18日(木)

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