至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第93回
ポルトガル時間はゆっくり流れる

ずっと気になっていた
ポルトガル料理を食べに行ってきました。
訪れたのは、渋谷・松濤にある
『マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ』。
マカオでポルトガル料理の店をやっていた
マヌエル・ペナさんが総料理長で、
シェフはマカオで働いていたサンチョさんだそうです。

豚もあさりもありますが
(ポルトガルでも豚を耳から足まで全部食べるとか)
なんといってもおもしろかったのは
バカリャウ(干ダラ)を使った料理。
水で戻して、塩抜きされたバカリャウが
コロッケにかき揚げ、炒め物にシチューと
さまざまな料理に姿を変えて
テーブルに登場します。

ちなみにこの日の相棒は、富山県の出身。
彼女の田舎でも、古くから干ダラの食文化があるそうで
なんとなく親近感をもつ私たち。
食べてみれば
これがますますほっとする味なのです。

高級食材より日常の食材を使っているせいか、
はたまたコテコテでなく
シンプルな味付けだからなのか、
ともかく、
お隣のスペインともフランスとも違う
もっとずっと素朴で
地味かもしれないけれど、じんわりくるおいしさ。

それにワインも、ポートだけではありません。
ポート、シェリーとともに
世界3大フォーティファイド(酒精強化)ワイン
といわれるマデイラや、
若摘みした葡萄で造られ
炭酸を残した状態で瓶詰めされるという
微発泡のヴィーニョ・ヴェルデも
ポルトガル独自のワインで実におもしろい。
もちろん白や赤にも
さまざまな土着の品種があります。

ところで店長の長岡さんは最初から
ポルトガル好きだったわけではなく、
正直言って
なりゆきだったそうですが(笑)、でも今では
「ヨーロッパではポルトガルしか行ったことがないし
次もまたポルトガルに行くんですよ」
と、すっかりポルトガル一直線なので
その魅力は? と訊ねました。

「ワインとお料理と
ゆっくり流れる時間、のんびりした空気」

その一端を、私たちはここ
渋谷・松濤でも垣間見ることができます。


■マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ
東京都渋谷区松涛1-25-6 TEL 03-5738-0125


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2004年4月28日(水)

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