至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第94回
GWにチーズとワインはいかが?

またまた
西村亜紀子さんのチーズ教室に行って来ました。
今回は、生産国もタイプも違うさまざまなチーズで
軽い味わいからコクのあるものまで
アンティパスト→プリモ→セコンド→ドルチェ
のイメージで流れを組み立ててみたとのこと。
その時のノートより、覚えたてを少しご紹介します。

1 セイラス・デル・フェン(イタリア・ピエモンテ州)
セイラスとは、ピエモンテ方言でリコッタのこと。
リコッタは、チーズを作るときに
固まりと水分とに分離する、その水分のほう(乳清)を
再加熱して作るチーズです。
これは牛と羊の乳清で作ったリコッタを
麻袋で水切りし、干し草の中で熟成させたもの。
まるで、わらの中にチーズを落っことしたみたいに
周りに細長い草(「ウシノケグサ」という香草)が
びっしりくっついています。
ミルクの濃厚さと塩気が利いていました。

2 フォンティーナ D.O.P(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州)
アルプス山脈が連なるアオスタ渓谷の、
山の向こうはもうフランスです。
フォンティーナは、そこで
のんびりと放牧されている牛のミルクを使い
山のチーズ小屋で寝泊まりしながら作られるのだとか。
むっちりとした食感、
ちょっとクセのある苦味が気に入りました。

3 ボーフォール・ダルパージュ(フランス・サヴォア地方)
美食家ブリア・サヴァランにして
「チーズのプリンス」と言わしめたボーフォール。
中でも夏の間、標高1500m以上の高地牧場で作られるものは
アルパージュと呼ばれるそうで
無殺菌の牛乳を使い、最低5ヶ月の熟成期間を経て
ゆっくりと仕上がります。
優しく上品なコクと、ミルクの甘みがほんのり。

4 スカモルツァ・マイアリーニ(イタリア・プーリア州)
今度は固まりと水分に分離した、固まりのほうに
熱湯などを加えて練り込む、パスタ・フィラータ系チーズ。
ピッツァにのせるモッツァレラに代表されるタイプで
加熱するとピロ〜ンとよく伸びるのが特徴です。
南イタリアで広く作られていますが
今回はプーリア産の、マイアリーニ(子豚)の形をした
2匹、いや2個の可愛い形。
……と言いつつスライスして、ソテーして食べました(笑)。
トロ〜ッとしつつ弾力のある食感が命なので
熱いうちに急いでかぶりつきます。

5 モンゴメリー・チェダー(イギリス・サマーセット州)
世界的にポピュラーなチェダーですが
しかし伝統的な製法の
トラディショナル・ファームハウス・チェダー
(PDO[原産地統制保護法]認定)となると、その数12軒。
このうち、さらにたった3軒だけが
「アルティザン・サマーセット・チェダー」として
スローフード協会が定めている
プレシーディオ(消えつつあり、守るべき伝統的な食品)に
イギリスでは唯一認められているそうです。
モンゴメリーは作り手の名前で、3軒のうちの1軒。
今日は、17ヶ月もじっくりと熟成したものをいただきました。
モロモロ、ムチッとした食感と、
酸味のある果実のような香りの余韻が
口の中でいつまでも続く不思議な味わい。
デザートワインにも合いそうです。

週末やゴールデン・ウィーク、家でゆっくり
ワインとチーズを愉しむのもいいですね。


←前回記事へ

2004年4月29日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ