至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第100回
酒屋の一角で、ワインと仔羊を

中野坂上にある酒屋『藤小西』の奥に
スタンディング・バー『プチ コニシ』があります。
ネーミングが何とも可愛いこのスペースは、
ワインボトルが整然と並ぶラックや
大きなワインセラーを擁する
酒屋のフロアを横切り
階段を数段上がった中2階に
2003年11月、オープンしたばかり。

この日
ワインの木樽を使ったテーブルでいただいたのは
イタリアの「テヌータ・サン・アントニオ
ラ・バンディーナ・ヴァルポリチェッラ スペリオーレ 1998」と、
フランスの「ドメーヌ・デ・ペリエール アンサタ
ヴァン・ド・ペイ・デ・コトー・フラヴィアン 2000」
ともに630円のグラスワインです。
酒屋なので、ボトルの店頭価格の
きっちり5分の1。
銘柄は週替わりで数種類用意されているそうですが
ときどき、フェアなどで
カリフォルニアワインのみの週もあります。

しかし私が驚いたのは、
きちんとしたサービスの気持ちよさと
そしてお料理。
まさか、酒屋の店内で
「仔羊のリヨンソースヴィネグレット」
が食べられるとは、正直、想像していませんでしたし
これがとてもおいしかったのです。
しかも840円。
思わず、サービスの女性がすすめてくれた
「フライドポテト」も追加。
これは515円。
厚めの輪切りにしたポテトはむっちりした食感で
セロリの風味を漂わせていました。

と、お向かいのカップルがチーズを注文。
トレイにのって運ばれてきた
数種のチーズは、どれもおいしそうです。
メニューに書かれた豚のリエットも食べてみたいし……。

それにしても
キッチンに立ってこれらの皿を作っている
コックコートの人物が気になります。
聞けば
シェフの北田清さんは
辻調理師専門学校を卒業後、同校で
講師として働いていたのだそうです。
そしてここ、中野坂上の地元住民なのだとか。

こんな本格的な料理がありつつ
カウンターには
ポップコーンや駄菓子、プロセスチーズの入った
ガラスポットも並んでいます。
お客さんのひとりは
イタリアのサッカーの話を楽しげにしているし、
かと思えば、ずっと本を読んでいる女性がいたり。
ちなみにお酒は
ベルギービール、日本酒、焼酎もあって
ビール券でも飲めるのがうれしいじゃないですか。

昔、酒屋にあった立ち飲みコーナーの文化が
形を変えて
息を吹き返しつつあります。


■Standing BAR PETIT Konishi
(スタンディング・バー プチ コニシ)
東京都中野区中央2-2-9 第3戸谷ビル1階 TEL 03-3365-2244
URL http://www.fujikonishi.co.jp/


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2004年5月7日(金)

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