至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第112回
プライベート・シェフという選択

本書に登場してくれたひとり
下江潤一さんから、綺麗な写真葉書が届きました。
彼が奥さんとふたり、関西で始めた
ケータリング・サービス事業の
新しいDMができたのだそうです。

ケータリングとは、出張レストランのこと。
彼は、ホームパーティーなどの時に
自宅へやってきてプロの料理を作ってくれる、
いわばプライベート・シェフです。

昨年、彼がこの仕事を始めたと聞いたとき
なるほどこういうやり方もあったのか!
と、ちょっと不意打ちをくらった感じでした。
無店舗なら資金がなくても
シェフとして料理を作ることができます。

彼は日本のフランス料理店で修業した後
イタリアに渡り
ボローニャのリストランテ『イル・ソーレ』で
1つ星獲得に貢献し、シェフの片腕となって3年。
ピエモンテで伝統料理を、
スペインでは3つ星の『エル・ラコ・デ・カン・ファベス』で
モダンスパニッシュを学び、
イタリアでシェフになる話もあった人です。
それが、なぜか立ち消えになり(イタリアではよくある話ですが)
やむなく帰国したものの
日本で店を構える資金がない。

そこで考えたのが
ケータリング・サービスでした。
しかも料理と一緒に
イタリアでフローラルデザインを学んだ
奥さん、下江恵子さんの
お花とテーブルコーディネートが
パーティーを演出してくれるのだそうです。

ピエモンテのリストランテで
彼の手がけた皿を一度、いただきましたが
それは店の料理であって、彼の料理ではないとのこと。
伝統料理が素晴らしくおいしい店なんですけど
彼の目指すスタイルとはまったく違うようです。
彼は
ルールは守りながら、ジャンルにとらわれない
「不思議なんだけどおもしろくて、食べておいしい」
という料理を作りたいと、取材時から
熱っぽく語っていました。

イタリア・フランス・スペインの経験を踏まえた
「不思議でおもしろくておいしい」料理を
ぜひ一度体験してみたいのですが、
残念ながら
ケータリングしてくれるのは
芦屋付近、阪神地区、大阪市内、北摂地区に
限られています。

ところで、そもそも
ホームパーティーの習慣がない日本で
そういうニーズはあるのか、訊いてみると
「芦屋などを中心にけっこうあるんです」
とのこと。
月曜に電話したら
この週末も、土日とも予約が入っていたとか。
さすがは芦屋。
すみません、どなたか呼んでください(笑)。


■El Bau Decoration(エル バウ デコラシオン)
TEL/FAX 06-6868-3167 e-mail elbaudeco@r8.dion.ne.jp
※5〜10名。1人¥5,000・7,000・10,000(ワイン・交通費別)


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2004年5月25日(火)

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