至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第150回
どうぞ楽しいお食事を!

「オススメのお店はどこ?」
と訊かれるたびに、いつも違和感を覚えていました。
「好き」にはいろんな種類があって
オススメという平たい言葉には、うまく
はまらない気がするのです。
だったら、いろんな種類の「好き」を
そのまま書いてみようと思ったのがこのコラム。
連載のお話をいただいたとき
150回という目標は、ずいぶん遠くにありましたが
気がつけば、いつの間にかゴールのテープを切っていました。
ときどき、独り言のような
考えごとのようなものもはさみつつ
何か感じることができたお店や、食べることについて
私なりにきちんと考えてみたつもりです。

感じることができなかったところや、
私の手に負えないなと思ったこと、
何度通っても「わっかんないなぁ」と思った店は
書きませんでした。
そこの料理がどんなにおいしくても、です。
私の場合、人や店や料理を
迷いなく評価できる確固たる知識や人格を
まだもちあわせておらず、どっちかというと
迷いっぱなしです。
それに
採点するつもりで何かに接したこともありません。
一緒に行く友人の方が
ここが減点! などと言い出して
ちょっと違うぞと戸惑うこともあったくらいです。

評価や採点も、ある意味必要なことだとは思いますが
それはそういう能力をもった人に任せて
私がやるべきことは
楽しんだり、考えたりしたことを
そのまま伝えることだと思ってきました。
この連載を通して
私の何かが、あなたの何かをノックして
今度あなたが
お店と、そこで働く人と、料理やお酒と出合ったとき
これまでとちょっと違う楽しみ方ができたとしたら
私も、
自分史上最高に太った甲斐があったというもの。

今、この連載コラムを単行本化すべく
がんばってますので
再び書店でお目にかかれることを願っております。
が、ちょっとご注意を。
『ファイルメーカー』シリーズの著者「井川直子」さんは
この連載の著者である「井川直子」とは別の人です。
ついでに言えば
サブカル誌に投稿したこともありませんし
「とろ〜りまろやか絹豆腐」も買っておりません。
ネットで検索すると出てくるらしく
友人からまで問い合わせがくるので、この場を借りて
まとめて言わせていただきます。
「違います!」
あー、すっきり(笑)。

最後に、この機会を与えてくださった
邱永漢氏、サポートしてくださったHiQ編集部のみなさま、
そして最後までおつきあいくださった
読者のみなさまに
心から御礼申し上げます。

ではそろそろ、予約の時間なので。


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2004年7月16日(金)

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