石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第76回
選挙には勝ったものの・・・

去る5/14、台湾では国民大会の
代表選挙(定数300、比例代表制)が行われました。

国民大会とは、立法院に続く「第二の国会」とも称される機関です。
かつては、国民大会の代表が
総統を選出する間接選挙権で有していましたが、
2000年から総統は直接選挙によって選ばれるようになり、
最近では専ら憲法改正を審議・立法する場となっています。

今回の憲法改正案は、
(1)国民大会の廃止と住民投票による憲法改正、
(2)立法院の定数半減(225から113議席に)、
(3)立法委員選に小選挙区比例代表並立制の導入、
(4)立法委員の任期を現行の三年から四年にすること、
などが柱となっています。

憲法改正案には、民進党・国民党ともに賛成を表明していたこと、
近年、国民大会の自体は権限縮小が進み、
改正案が承認されれば
最後の代表選挙となると見られていたことから、
国民の注目度は低かったのですが、
最近の相次ぐ野党党首の中国大陸訪問によって、
陳政権の台湾独立路線が修正を余儀なくされるのどうか、
ひとつの試金石と見られていました。

結果は、民進党が127議席を押さえ第一党の地位を確保、
次いで国民党が117議席を獲り、両党だけで議席の8割を占め、
他の改憲賛成派団体も合わせると
249議席を数える圧倒的多数となり、
憲法改正案の承認はほぼ確実と見られます。
一方、改正反対を打ち出していた親民党は、
宋楚瑜主席の訪中にもかかわらず得票が伸び悩んで、
議席は18にとどまり、
前総統の李登輝氏を後ろ盾とする与党陣営の政党、
台湾団結連盟(台連)の議席は21になりました。

選挙の結果に対し、
与党民進党は現政権の政治路線への支持を得られたとしていますが、
投票率が23.36%とこれまでで最低であったことから、
果たしてこの結果が国民の総意を示していると言えるのか?
という疑問も出されており、
引き続き与野党両陣営の綱引きが続く模様です。


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2005年5月23日(月)

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