石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第126回
コミュニケーションの仕方に悩んでいます

お蔭様で春先からわが社の受注が急激に伸び、
5月に単月の売上高がこれまでの水準の2倍になって、
さらに成長が見込めそうです。
一方で、生産体制や品質管理体制が急激な変化についていけず、
私も含めて社員へのプレッシャーが日増しに増大していっています。

7月に台湾資本100%になり、
社員数も80名を超える規模になってきました。
以前は、言語の問題で私の思いが伝わらなかった部分、
コミュニケーションの足りない部分は
副総経理の譚(タン)さんが
補ってくれていたものと思い込んでいましたが、
最近、彼が気になることを言い出しました。
経理(マネージャー)クラスの社員から、
「総経理は何事も副総経理にしか話をしない、
我々のことを信用していないのではないか」
と、言われたというのです。

台湾の会社になってから、
会議等の席上ではほとんど北京語を使って会話しています。
日常的にも
なるだけ直接担当者に話しかけるよう心がけていただけに
意外でした。
用件だけならともかく、
会社ポリシーとか、価値観とか、
そういう問題について私自身が北京語で
細かいニュアンスまで正確に伝えられるかというと、
正直言って自信がありません。
それで、込み入った問題を話し合う時は、
譚さんにも同席してもらったり、
彼を経由して伝えてもらっていたのでした。
それが現地社員から見ると、
「信用されていない」と映ってしまったようです。

私自身、自分の説得力不足を、
「言語のせい」にして逃げていたのです。
特に、日本人相手なら
常識としてわかってもらえそうなことを納得させられなかった場合、
かなりストレスがたまります。
命令は命令として
有無を言わさず服従させることはしたくありません。
ただし、各社員がバラバラの価値観で勝手に仕事を進めていては、
組織が成り立ちません。
会社規模の拡大に伴い、
チームワーク重視の仕事の進め方をしてもらうのが、
これからのポイントと考えています。
そのために、膨大な時間をかけてでも
一対一の対話を進めていくのか、
それとも、会社の状態に適合する人材に切り替えていくべきなのか、
思案に暮れています。


←前回記事へ

2005年8月1日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ