服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第119回
スポーツ・ジャケットの細部に凝る

ノーフォーク・ジャケットを着たことがありますか。
ノーフォーク・ジャケットは昔の狩猟服で、
両胸にヒダを配し、共ベルト付きであるのが特徴です。

今のノーフォーク・ジャケットにあしらわれるヒダは
単なる装飾となっています。
でも、かつてはボックス・プリーツで、
実際の運動量を考えたものであったのです。
銃を撃つときなどにも都合が良かったのでしょう。
ノーフォーク・ジャケットの流行は1880年代以降のことで、
その時代には主として
ハリス・ツイードで仕立てたのだそうです。

今ではノーフォーク・ジャケットを着る機会は
あまりないのかも知れません。
しかし1920年代頃までは、ゴルフ・ウェアといえば
きまってノーフォーク・ジャケットと
ニッカーボッカーズとを組合わせたものです。

以前、ハッキング・ジャケット
(乗馬服)について少しお話しましたが、
スポーツ・ジャケットの源が乗馬服や
狩猟服であったことは間違いありません。
スポーツ・ジャケットについてなにか迷うことがあったなら、
昔の乗馬服や狩猟服がどうであったかを考えてみると、
たぶん良いヒントが得られると思います。

ひとつの例をあげると、アクション・プリーツがあります。
背中の両脇にあしらわれるプリーツのことです。
ごく普通のジャケットであっても、
このアクション・プリーツを付けるだけでも、
かなりカントリーの味わいが濃くなってくるでしょう。
ノーフォーク・ジャケットのヒダに較べて、
かなり控え目であるのも利点のひとつです。

もっと簡単な方法はボタンを交換する方法があります。
野性的なホーン・ボタン
(水牛などの角を素材にしたもの)もおすすめです。
あるいはレザー・ボタンやスエード・ボタン。
そしてもっともカントリー的なものが、
レザー・バスケット・ボタン。
革紐で締んだボタンのことです。
ぜひ一度試してみて下さい。


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2003年1月20日(月)

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