服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第200回
なんて美しいそばの食べ方だろう

そばはお好きですか。
漢字で書くと、蕎麦ですね。
私はうどんもそばも、麺類はなんでも大好きです。
なかには昼はそば、と決めている人さえあります。
でも、私は昼よりも夜に食べるそばが好きです。
そばみそで酒を一杯飲んで、そばを食う。
心地良い時間が流れてゆきます。

ここでのそばは、もりそば。
「ざるそば」「さらしな」・・・
さまざまな呼び方がありますが、
要するにつゆにつける食べ方。
そばの香りを楽しむにはこのほうが上でしょう。

そばはそばちょくで食べる。当り前の話です。
漢字では、猪口となります。
そばとちょくが来たなら、徳利からちょくにつゆを注ぐ。
この時、ごく少量にしておく。
というのはつゆの味加減が分らないからです。
淡い、やわらかいつゆなら、その後で足せばよい。
まず最初、ひと口食べてみる。
わさびや薬味なども入れないで、
ごく少量のつゆだけで食べてみる。
ふた口目からはどうぞお好みの味で食べて下さい。

さて、もうひとつ大切なことは、そばちょくの持ち方。
ふつう左手で持つ。
この時、人差指を浮かせるようにして、
主として中指と親指とでしっかり持つ。
人差指が自由に動かせることが大切なのです。
箸でそばをたぐって、ちょくに持ってゆく。
もし、この時そばが長すぎるようなら、
左手の人差指をちょくの端に当てるようにして、
そばを切るのです。

これはそば自体が長いのもひとつの原因でしょうが、
箸でそばを多く取りすぎた時にも起ります。
もりそばはその中央部から、
少しづつ箸でつかむのが基本でしょう。
しかし、それでもなお、そばが長すぎた場合には、
人差指を上手に使いましょう。

あらかたそばを食べおえると、
細かいそばが2、3本づつ残ることがあります。
これも上手に食べましょう。
箸を巧みに使えば、必ずつかむことができます。
これを「箸を立てる」というのだそうです。


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2003年4月11日(金)

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