服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第244回
さあ、頭の散歩に出てみましょう

散歩はお好きですか。
私も散歩はよくするほうだと思います。
まあ暇人の特権のようなものでしょう。
そして散歩の後のコーヒーがおいしい、
ビールがおいしい、食事がおいしい。

人それぞれお気に入りの散歩コースがあるでしょう。
もちろん私にもあります。
たとえば恵比寿から渋谷までのひと駅を歩くのも
面白いものです。
JRの線路に沿うように、縫うように、
小道ばかりを選んで歩く。
すると東京の中心であるにもかかわらず、
ふとどこか遠い国、遠い時代を
旅しているような気分になったりします。
思わぬ場所に、小さなブティックが出来ていたり、
またそれが別の店に代っていたり。
知らず知らずのうちに、
社会勉強になったりすることもあります。

途中、路地の奥に、
小さな、眠っているような銭湯があって、
時と場合によってはここに寄ることもあります。
うまくすると昭和初期への
タイム・スリップも可能でしょう。
探せばあるものですね。

さて、そうこうするうちに、渋谷に着く。
ゆっくり歩いて約30分、ちょうど良い散歩です。
駅前、東急プラザの裏あたりに、
渋谷古書センターがあります。
渋谷も一軒、一軒、また一軒と
古書屋が消えて淋しい限りですが、ここは健在です。

まず地下1階をのぞいてから、
1階、そして2階へと上ってゆく。
2階はフライング・ブックスという新しい空間になっています。
それ以前は文学書主体だったのですが、
今はファッションの洋書なども置いています。
このフライング・ブックスの特徴は、
店の一角がカフェになっていて、コーヒーが飲める。
「今度、○○関係の本を入れておいてくれませんか」
などと話しながら、コーヒーが飲める。
もちろん椅子に座って。

しかも美味しいエスプレッソをいれてもらって、200円也。
(tell:03-3463-8151)
買ったばかりの古書を、
その場でエスプレッソを飲みながら開いて見るのは
楽しいものです。


←前回記事へ

2003年5月25日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ