服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第265回
さようならはエレガントに

ひとつ私の失敗談を聞いて頂けますか。
この間、ちょっとした失敗をしてしまいました。
それはAさんとの待ち合わせについてです。
Aさんと電話で話をして、
4時に銀座で会いましょう、ということになった。
それというのも、その日私は
3時にある会に顔を出すことになっていたからです。

Aさんは銀座近くに居てくれることにして、
4時頃に私が彼の携帯電話に連絡する、
という約束になりました。
さて、当日になって3時に行くと、
それは思ったよりも早く終った。
そして久々にBさんと会った。
まだ少しの時間はあるので、
Bさんとふたりでコーヒーでも飲みましょうか
ということになる。

とある喫茶店でBさんと話をしているうちに
4時になったので、Aさんに電話をし、
その喫茶店に来てもらうことにしました。
Aさんが来た。
ふたりは初対面なので、私は紹介して、
それではとBさんと別れて、
Aさんと打合わせしたのです。

話は以上ですべてです。
けれどもその後で、
私は自分が小さな失敗をしたことに気づきました。
Bさんに対してちょっと悪いことをしたな、と。
この場合には、喫茶店の出口までBさんを見送り、
そこで「さようなら、またお会いしましょう」
と言うべきであった、と。
私はテーブルの近くで「それではまた・・・」
と言っただけだったのです。

もちろん私としてはAさんとの打合わせのほうに
気がとられていたからでしょう。
でもAさんとはその後で
30分でも40分でも話はできるわけですから、
そこで1分や2分待ってもらってもどうということはない。
Bさんを出口まで見送る時間は充分にあったのです。

なにごとも最初と最後が肝心と言いますよね。
最初の「こんにちわ」というあいさつ。
最後の「では、さようなら」というあいさつ。
ことに「さようなら」は大切です。
話の途中で多少言いたいことを言ったとしても、
別れ際に丁寧に、
優雅に「さようなら」と言うことができれば、
より良い印象を残すのです。


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2003年6月15日(日)

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