服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第298回
バミューダー・ショーツは夏の秘密兵器

スカートをはきたいと思ったことがありますか。
まさかスコットランドの兵士でもあるまいし、
実際にスカートをはくことは出来ません。
でも、涼しいでしょうね。
寒い時にはパンツのほうが有利ですが、
暑い時にはスカートのほうが適しているでしょう。

涼しさと、男のコケンとをぎりぎりのところで妥協させると、
ショート・パンツがあるのに気づく。
たしかにショート・パンツは
ふつうの長いパンツに較べて、はるかに涼しい。
裾さばきが軽快であるのは当然として、
長くはいていても膝が丸くならないのも有難い点です。

ショート・パンツはカジュアル・ウェアである、
というのは常識でしょう。
でも、暑いときにはこの常識を
少しゆるめてもらえないでしょうか。
たとえば、最高気温が30度を超えそうな日には、
ショート・パンツで出社しても良いとか。
たったこれだけのことで、
かなり快適に仕事ができるようになるのではないでしょうか。

まあ、それはともかく、
今私たちが見逃しているものに
バミューダー・ショーツがあります。
バミューダー・ショーツは細身で、
丈長のショート・パンツのことです。
あらゆるショート・パンツのなかで
もっともドレッシーと言って良いでしょう。

今、私がぜひはきたいと思うのは、
白麻のバミューダー・ショーツ。
肌ざわりが良く爽やかで、吸湿性の良い。
白麻のパンツに較べてシワになりにくく、
また家庭洗濯も可能です。

白麻のバミューダー・ショーツに、
白い靴下と白い靴を組合わせる。
もちろんベルトも白。
ゴム糸を編んだメッシュのベルトなんかがあると良いですね。
このような着こなしなら、
膝下が少し開いているだけで、
白いパンツ姿とそう変らないのではないでしょうか。
もし膝下までの長い靴下を穿いたなら、
ほんの数センチのすき間ではありませんか。
バミューダー・ショーツを上手に着こなして、
より涼しい工夫をしようではありませんか。


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2003年7月18日(金)

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