服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第481回
絵にしたいようなマフラー姿

マフラーという言葉から
すぐに連想するものなにですか。
私の場合は、ロオトレックの絵。
正確には版画ですね。
黒い帽子、黒いマント?の男が、
まっ赤なマフラーを首から
斜め後になびかせている姿。
あまりにも有名な絵ですね。
たしかブリュアンという人物をモデルにした絵だと、
聞いたことがあります。
あれほど粋な、あれほど典型的なマフラーは
ちょっと他にはないのではないでしょうか。

では、あのマフラーの巻き方は
誰にも真似ができないのか。
いえいえ、そんなことはありません。
誰にでもすぐにできます。
黒いコートに、赤のマフラー、いとも簡単です。
でも、そう簡単に真似できないのが、
あの男の堂々とした姿勢。
まるで地球を回転させているのはこの私だ、
とでも言いそうな自信。
全体の着こなしを完成させる上で、
いかに自信、いかに心の持ち方が大切であるかの、
一例でしょう。

もちろん私にもそんな自信はありません。
それでもマフラーは好きです。
コートを着た時には
たいていマフラーを使いますし、
場合によってはマフラーだけということもあります。
それほど寒くない日には、
上着の上にマフラーと帽子だけ。
これだけで、けっこう暖かいのです。
コートは脱いだ時に邪魔になりますが、
マフラーは小さく薄く畳めるので、
それほど邪魔にはならない。

シャツにタイを結び、上着を羽織る。
で、その上からマフラーを巻く。
首の前で、しっかり一重結びにする。
そしてもうひとつおすすめしたいのは、
マフラーの端をすべてジャケットの内側に入れてしまいます。
一見、ゆったりとしたタートル・ネック・スェーターを
組合わせたような感じになるでしょう。
暖かく、しかもスマートです。
マフラーを服の一部にしつつ、
コートは着ないで街を歩く。
これも私の好きなスタイルなのです。

ダークの色のジャケットに対して、
はっきりとコントラストを表現してくれる色が良いでしょう。
あともうひとつだけ必要なのは、
地球の中心に立っているという自信なのですが・・・。


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