服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第647回
石ケンに投資した話

暑い時だからこその楽しみは何ですか。
私の場合は、シャワーです。
なるべく軽装で、
ただ帽子だけはしっかりと被って、散歩する。
Tシャツにショート・パンツ、
そしてサンダル履き。
これで30分も歩くと、
もう汗で濡れてないところが無いくらいになる。
そこで家に帰って、シャワー。
こんな気持の良いことが、ほかにあるでしょうか。
私の場合は、ほとんど水に近い温度のシャワー。
気分をとり直して、本を読んだり、仕事をしたり。
手もとにアイス・ティーでもあれば、
もう極楽というものです。
しかもこの極楽、なんと安上がりなことでしょう。

でも、私だって
時に投資(?)をすることだってあります。
それは香料石ケンを見つけた時。
フランスを代表する香料石ケンが
「ロジャー・ギャレー」だとすると、
イギリスを代表するのは
「ヤードレー」ではないでしょうか。
むかし、ヤードレーの男性化粧品を使っていたことがあって、
懐かしくなってすぐ買ってしまいました。

ところでこのような香料石ケンには
“ラグジュアリイ・ソープ”という呼び方があるそうです。
なるほど優雅な気分にさせてくれます。
しかもシャワーの後、
かなり長い間良い香りがつづくのです。
香りの種類にはラベンダーをはじめとして
4種類ほどあるそうですが、
たまたま私は買ったのは
「リリイ・オブ・ザ・ヴァリィ」。
なんだろうと思って調べてみると、
「ドイツスズラン」。
なるほどたしかにすずらんの良い香りがします。
が、これを直訳すると
『谷間の百合』で、
バルザックの代表作でもあります。
シャワーの後で、
久々にバルザックでも読んでみましょうか。

ヤードレーそもそものはじまりは
1770年というから、古い。
そもそもはクリーヴァーという石ケン業者のところに、
ハーミア・ヤードレーという女性が嫁いだので、
その名になったそうです。
この香料石ケンは1個、672円(税込)。
私はたまたま広尾の子安薬局
(TEL:3446-4701)で見つけました。
実に美しいカンに入っていて、
今から何かを入れようと楽しみにしています。


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