服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第726回
いつものスェーターを変身させよう

スェーターにネクタイを結ぶ着こなしはお好きですか。
たとえばスポーツ・シャツを着て、
あえてネクタイを結んでみる。
なかなか面白いものです。
Vネック・スェーターだけでなく、
クルー・ネック(丸頸)にもおすすめします。

このネクタイを結ぶ着こなしは、
もちろんトゥイン・セットにも応用できます。
トゥイン・セット(スェーター・セットとも)とは
説明するまでもなく、
スェーターとカーディガンの重ね着のことです。
一見、ニットにおける
スリーピース・スーツのような
印象になることもあります。
さらにはスェーターやニット・ヴェストが薄手であれば、
色柄の異なる重ね着も考えられるでしょう。

ではこの場合、
どのようなネクタイを結ぶべきか。
これはシャツの質感に注目しましょう。
たとえばダンガリーのような
固い印象のシャツなら、
張りのあるタイがふさわしいでしょう。
逆にビエラだとかフランネルのような
柔らかい印象の質感があれば、
同じようにソフトな感じのネクタイを合わせる。
この基本から出発して、
次第にコントラスト効果に挑戦すれば良いでしょう。

スェーターは当然身体にフィットするもので、
これを上手に利用することをおすすめします。
シャツの襟からネクタイが
まっすぐ下に下りているのではなく、
ごく自然のふくらみをもたせる。
このネクタイの量感をより大きくするか、
小さくするかは好みの問題でしょう。

ところでシャツの袖口が
ダブル・カフスであったらどうするか。
まあ、ふつうに考えれば
ドレス・シャツをスェーターに合わせたりはしない。
でも、時と場合によっては
有り得ないわけではありません。
そんな時にはカフス・ボタンを省略して、
手首に沿って丸く重ねる。
スェーターの袖口でフィットして、
自然に収まってくれるのです。
もちろん少々気障ではありますが、
あえてスェーターの袖口から
カフスの部分だけを外に出す方法もあります。


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