服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第733回
シャンソンを唄いたくなる革ジャンパー

重ね着はお好きですか。
まさか重ね着が好きという人は少ないでしょう。
私だって、軽くて動きやすいほうが良いに決っています。
ただそれだけでは単純に寒いので、
なにかを重ねてしまうのです。

さて、重ね着をしなくても済む方法は
なにかないでしょうか。
要するに一枚で充分温かい上着を羽織れば良いのです。
ことにカジュアル・ウェアの場合には
それが可能でしょう。
たとえばレザーのブルゾン。
俗に言う「革ジャン」ですね。

あたりを見渡せば
星の数ほどある「革ジャン」のなかで、
ぜひにとおすすめしたいものがあります。
それはモーガンというメーカーの作っている
レザー・ジャケットです。
ふつう「フランス空軍タイプ」と呼ばれています。
ほぼ同じデザインのものを、
フランス空軍で使っているからです。
ただし私には軍服趣味はありません。
一枚のレザー・ブルゾンとして眺めた時、
実に完成度が高いと思うからです。

まず第一に素材がラム・スキン(仔羊の皮)なので、
軽くて、柔らかい。
新品のうちから身体に馴染んでくれる良さがあります。
さらには革自体は薄手なのですが、
中綿にサーモライトという
デュポン社の新素材を使っているために、
着てみると思ったよりはるかに温かい。

第二に美しく、深いブルーの色が良い。
よくあるネイビー・ブルーではなく、
フレンチ・ブルーと呼びたいような色。
つまり素材の良さとあいまって、
革ジャン特有の固さがまったくないのです。
大人にふわさしいブルゾンと言って良いでしょう。

そして第三に、
たしかに細部に至るまで
よく考えられていること。
たとえば袖口はシンプルな筒袖ですが、
内側で風が入り込まない工夫がなされています。
これは中田商店(TEL 3832-8577)で、
33,000円で購入可能。
グレイのフラノ・パンツを合わせて、
いとも上品に着こなしたくなるレザー・ブルゾンです。


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