服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第762回
ニット・ベストを主役にする方法

ニット・ベストを着たことがありますか。
毛糸で編んだチョッキですね。
着やすくて、温かく、
脱いでかさばらず、シワにならず、
なかなか便利なものです。
スェーターのように頭から被って着るのか、
それとも前開きボタン式のものかをはじめとして、
様ざまな種類があること、
言うまでもないでしょう。

ニット・ベストを上手に着る方法は、
ふたつあります。
ひとつはアクセント・カラーを選ぶこと。
もうひとつはジャスト・フィットさせて着ることです。

たいていはダーク・スーツに合わせることが多いでしょう。
もちろん替上着という場合もあるはず。
いずれにしても上着に対してはっきりと
コントラストのあらわれる色調を選ぶことです。
ワイン・カラーをはじめとして、
あざやかなブルーやグリーン・・・。
好みによってはイエローやバイオレットなども。

つまりニット・ベストが、
全体の着こなしのなかでの
主役となるよう配置するわけです。
そのためには上着をはじめとする
他のアクセサリーなども、
なるべく脇役となるよう考える。

つぎにジャスト・フィットとは、
なるべく身体にぴったりと合うように着ることです。
上着などはゆったりしていても、
とにかくベストだけは身体にフィットさせる。
本来チョッキとは
そういう着方をするものなのですが、
ニットだからこそ、より有利なのです。
とにかく上着には上着の、
チョッキにはチョッキの、
フィット感があることを、覚えておいて下さい。
そのためにもし多少、
型崩れするようなことがあったなら、
軽くスチーム・アイロンをかければ、
ニット・ベストは簡単にもと通りになります。

さて、ニット・ベストを主役にするとは、
言い換えれば「活かして着る」ということでしょう。
おしゃれの本体とは、
この活かして着るという点に
あるのかも知れません。
積極的に、主張と自信をもって着こなす。
これはなにもチョッキだけに限ったことではなく、
男の服装すべてについて言えることです。


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