服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第778回
讃えよ、さらば開かれん

「子褒(こほ)め」という落語を知っていますか。
ある家に子供が生まれる。
それを長屋の熊さんが褒めに行こうとする話。
横丁の隠居に口上を教わり、
酒の一杯にありつこうとして、
なかなかうまくいかない、
というのが話の粗筋。

子供であろうとなかろうと、
人を褒めるのはなかなか難しい。
まして下心がある場合においておや。
しかしこれを「褒める」のではなく
「讃(たた)える」に置き換えたら、
どうでしょうか。

たとえばオリンピックで、
金賞、銀賞、銅賞がある。
何秒で走ったら、1位です、2位です、3位です。
ちゃんと理由があっての表彰ですから、
分りやすいし、嘘がない。
これも「讃える」ことのひとつです。

つまり知人、友人、同僚などについて、
事実をしっかりと見る。
で、その事実が少しでも良いことであれば
素直に、正確に「讃える」。
これならどこにも不自然なところがない。
心のなかで思っていることを、
口に出すか否かの問題なのです。

「お茶を淹れてくれてありがとう」
「ああ、これは美味しいお茶ですね」
「お茶の淹れ方が上手ですね」・・・。
事実に対する評価。
おだてでもお世辞でもありません。
きちんとものごとを見て、
まっ白い気持になれば、
「讃える」ことはいくらでもあるのではないでしょうか。
つまり観察力と素直度の問題だと思います。

森羅万象、一枚のコインに似たところがあります。
表があり、裏がある。
一枚のコインの表を見つづけるのも人生、
裏を見つづけるも人生。

人間誰しも長所と短所があります。
どうせなら相手の短所はあまり見ないようにして、
長所をより多く見るようにしたいものです。
人の長所を観察し、素直な気持ちになって、
「讃える」のは、
とてもおしゃれなことだと思います。
少なくとも人間関係がうまくいき、
より良い道が拓けること間違いありません。


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