服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第932回
希望手帳のすすめ

「明日(あした)」という言葉を
一日に何回使いますか。
「明日また・・・」「じゃあ、あとは明日・・・」
「明日までにはきっと・・・」
考えてみれば「明日(あした)」という言葉には、
ずいぶん助けられているように思います。

そして「明日(あした)」にも
大きくふたつの使い方があるのではないでしょうか。
希望としてのあしたと、延期としてのあしたと。
積極的なあしたと、消極的なあしたと。
当然、延期としてのあしたよりも、
希望としてのあしたを多く使う人のほうが、
幸福も大きくなるのではないでしょうか。

誰だって明日の予定を立てますね。
あれもやろう、これもやろうと、
頭の中で組立てる。
でも、どうせならごく簡単にメモを書いておく。
1枚づつのメモで失いやすいのなら、
ノートのほうが良いかも知れません。
言うならば「明日の手帳」。
ノート1枚に明日やるべきことを書いておく。
鉛筆で書く、ボールペンで書く、
万年筆で書く、筆で書く。
これはまあ、人それぞれの好みというものでしょう。
私はふつう万年筆を使います。
時には、筆。

明日にやるべきことを実際に書いておくと、
頭で考えているよりも、
いっそう深く心に刻まれる。
仮にそうでなくても、記録に残る。
コレは出来たけれど、コレは出来なかった。
一勝一敗かなあ。
いいんです、それで。
また明日があるのですから。
「明日」の素晴らしさは
そこにあるのではないでしょうか。

つまり明日の手帳は
「希望の手帳」でもあるのです。
誰にも夢と希望があります。
けれどもたいていは
そっと胸のうちにしまっておく。
予定や計画と同じように、
夢と希望も手帳に書きつける。
「希望の手帳」に。
最初は漠然とした夢物語であるかも知れません。
でも、明日こそ明日こそと書きつづけているうちに、
少しずつ具体的になってゆく。
輪郭からはじまって、
細部に至るまでが明確になってゆく。―
こうなれば、もうあと一歩です。
希望は描くのではなく
実際に書きつづけると良いですよ、
という話なのです。


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