服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第948回
皇太子のおしゃれ術

プリンス・オブ・ウェールズ・プレイドを
知っていますか。
ふつうプリンス・オブ・ウェールズ・チェックとも
呼ばれるものです。
グレン・チェックの上に
さらに赤(またはブルー)の
オーバー・プレイドが入った柄を指します。

ところで“チェック”と言ったり
“プレイド”と言ったり、ややこしいことです。
もちろんどちらも「格子柄」の意味。
“チェック”は一般の、総称としての格子柄。
一方“プレイドは、
本来タータン柄から出発しているのについて、
この名称を使う傾向があります。
グレン・プレイドももとは
タータン柄の一種だと考えられているので、
その名が使われています。

1930年代に、
英国皇太子(後のウインザー公)が
この柄を愛用したので、
その名前が使われるようになったとのことです。
最初は軽いトップ・コートの柄として、
次いでスポーツ・ジャケットの柄としても
使われたのです。

これまで私も
無地の替上着を羽織ることが多かったのですが、
時には格子柄の上着に
袖を通してみたい気持ちになっています。
たとえばプリンス・オブ・ウェールズ・プレイド。
で、プリンス・オブ・ウェールズ・プレイドを
よく眺めると、
ダーク・グレイ、オフ・ホワイト、
そしてレッド(またはブルー)から構成されています。―
だから、と決めつけるわけではありませんが、
まずダーク・グレイのパンツを組合わせる。
次にオフ・ホワイトの
タートル・ネック・スェーターを着る。
そして赤のポケッチーフかスカーフを
どこかにあしらう。
そんな着こなし方はとても上品だと思います。

あるいはオフ・ホワイトの
ウールのスポーツ・シャツに
赤やブルーのアスコット・タイ
という組み合わせ方もあるでしょう。
いずれにしても
大胆な柄のスポーツジャケットを着る時には、
他の脇役は主として無地。
しかもその上着から発想した色を活用するのが、
おしゃれの第一歩なのです。


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