服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第962回
夢の黄金酒をどうぞ

キャプテン・モーガンを知っていますか。
本名をヘンリー・モーガン(1635〜1688年)
といったのですが、
英国、ウェールズに生まれた海賊の名前。
何がきっかけでそうなったかは知りませんが、
船乗りから海賊となり、
1668年頃からは
カリブ海を制する海賊の首頭となる。
そんなことからジャマイカ総督から
特別将校に任命される。
やがてはサー・ヘンリー・モーガンと
呼ばれるようになるのです。

それはともかく
このサー・ヘンリー・モーガンが
愛飲したのが、ラム。
これはもう当然でしょう。
その時代は船乗りといえば
ラムを飲んだのです。

「グロッキー」がもともとは
“グロッグ”grog から出ているのは
よく知られた話ですが、これは「水割りのラム酒」。
イギリスの海軍提督、
エドワード・ヴァーノン(1684〜1757年)が
ラムを水で割って飲んだところから
その名が生まれた。
“グロッグ”が彼の仇名であったからです。

それはともかく
キャプテン・モーガンは
香料で香りをつけたラムを好んだ。
ラムは黄金色ですから
これを“スパイスド・ゴールド”と呼んだ。
今なお「キャプテン・モーガン」の銘柄で
“スパイスド・ゴールド”は販売されています。
その発売元が英国の
「キャプテン・モーガン・ラム・カンパニー」
というのですから、面白いではありませんか。

「キャプテン・モーガン」のキャップを開けると、
上品なバニラの香りがします。
これを水割りならぬ湯で割って
ホット・ドリンクスを作ってみましょう。
寒い夜に身体を温めてくれること間違いなしです。

「キャプテン・モーガン」に
レモン・ジュースを加え、これをソーダで割ると、
“スパイスド・ゴールド・コリンズ”
というカクテルになるのだそうです。
もちろんお好みの調合で試してみて下さい。

でも、夜の寝酒にはきっと
ホット・ドリンクスが良いでしょう。
さあ、17世紀の海賊になった夢でも見るとしましょう。


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