門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第163回
Mole hosoi coffee

旧いビルの地階。
カウンターのみの「Mole hosoi coffee」というコーヒー店がある。


オーナーの細井さんは、
北海道「森彦」名古屋「coffee Kajita」という
2軒の店からコーヒー豆を仕入れる。
ここはブレンドに特徴がある。

hosoi blend specialは苦味・酸味のバランスが優れ「森彦」製。
やや苦味の利いたmole blend specialは「coffee Kajita」製。
以前はペーパーフィルターで淹れていたが、
最近はステンレス製のフィルターを使う。


「ペーパーより、プレスに近い感じですね。
それから抽出時間がペーパーより短いですね」と語ってくれた。
ペーパーでは、コーヒーが持つ油分や
味わいをペーパーが吸い取るが、
ステンレスなのでそれも含めて抽出となるのだ。
たしかに油分はペーパーより若干多く感じる。
その分、コーヒーの特徴がより明確となる。


この日はmole blend specialを飲んだ。

やや苦味がかったチョコレートのようなビターな味わいも感じる。

大阪・淀屋橋駅から近いビジネス街に位置する。
コーヒー愛好家ばかりが訪ねるロケーションではない。
「ランチのあとのコーヒーを飲みにこられる方など、
いろいろなお客さんがいらっしゃいます」と。
だから、いかにもコーヒー専門店という雰囲気は漂っていない。
ゆったりとした気分で過ごしてもらいたいという
細井さんの気持ちが店の空気感を作り上げている。

オーディオのセットもいい。
これも「お客さんの様子でいろいろなジャンルの音楽をかけます」
と、これもざっくばらんな感覚である。
どこかに突出するのではなく、
「Mole hosoi coffee」
という空間を楽しんでもらいたいのであろう。

細井さんは、常に蝶タイを締めている。
「それは作ってもらうのですか」と聞くと「
知り合いのテーラーに頼んでいます」とのこと。
コーヒーだけでなく、ファッションや音楽の話しも楽しい。
また、ひとりでじっくり本を読むという過ごし方ができる。
それが大きな魅力である。


【本日の店舗紹介】

「Mole hosoi coffee」
 大阪市中央区伏見町3-3-3芝川ビル B1F
 06-6232-3616


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2012年8月28日(火)

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