虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第17回
肌の色・ツヤで、こんな事が解ります (その3)

肌の色・ツヤを見る場合、
注意しなければならない大事なことがあります。
まず、どの部分を観察したらよいかです。 
日焼けした部分や皮ふの硬化している部分などは、
特殊なケースを除いてあまり参考になりません。
女性の場合、化粧をしますので顔もあてになりません。
そのために観察する部分は、その人本来の肌の状態を
表している首ののどのあたりや腕の内側などがよいでしょう。
次に、蛍光灯などの人工的な光の場合、
発っする光の種類によって、そのひと本来のものとは
違うものに見えてしまうことがあります。
だから、なるべく自然な光の中で観察することです。
毎朝、顔を洗うときに時々鏡で見てみましょう。

また、肌の色・ツヤは胃腸の働きにも大きく左右されます。
皮ふは、主にたんぱく質などから出来ていますから、
肉などのたんぱく質が口から胃腸に入って消化・分解され、
体内に取り込まれて再合成されたものともいえます。
当然、胃腸の調子が悪ければ食欲不振になり、
たんぱく質などの材料も足りなくなってきますので、
再合成することも充分に出来なくなります。
そのため、正常な皮ふが作られなくなるわけです。

現代の生物学では、                   
人間の細胞は受精してから分裂を開始して、
外側になる部分・中側になる部分・内側になる部分の
3つに大きく分かれていき、
外側は皮膚や神経などに、中側は筋肉・骨・生殖器などに、
内側は胃・腸などの消化管や
肺に分化していくことが解っています。
つまり、肺や胃などは形は違っていても、
同じところから分かれていったグループということになります。
ですから、肺に良い食べ物は胃腸にも良いと
いえるかも知れません。
また、五臓六腑でいえば肺と大腸と皮ふは同じ系統になっており、
中医学では肺の働きを良くするのには、
胃腸の調子を良くしていけば良いという考え方もあります。

こんなふうに、最新の生物学や医学と中医学の考えとが
関連している部分は、不思議なことにいろいろあります。


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