虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第43回
痛みと賢く付き合う方法?

「○○○を飲んだら、3日でひざの痛みや腰痛が治った」
とかいう広告のようなものを、この頃よく目にします。
もちろん、単なる打ち身や捻挫なら早く治るでしょうが、
お年寄りなどのひざや腰の痛みなどは
その部分の筋肉がだんだん弱ってきたり
血液の流れが悪くなってきたり
骨や軟骨などがスリ減ってきたりして、
総合的に痛みが起こっている場合がほとんどですから、
3日ぐらいで治ることは物理的にも不可能なことです。
多少は楽になったとしても治ったわけではなく、
また無理をしたり同じように動いたりすると
痛みは軽くてもその部分は修復できずに
症状は逆に悪化してしまいます。

特に気をつけてほしいのは、
興奮作用や覚醒作用・麻痺作用などを持つ
物質が関係している場合で、
「漢方薬や健康食品だから」
「自然のものだから・・・」と安心していても、
こういうものが含まれていたりすることがあります。
そういう場合は一見治ったように感じても、
その実体は興奮・覚醒・麻痺させたりして
痛みをごまかしたりしているだけで、
その部分を治しているわけではありません。

よく考えてみれば分かることですが、
痛みは決して悪いだけのものではありません。
「その部分が傷んできてますよ、気をつけてください。」
という、身体の注意信号でもあるのです。
ですから、強制的に痛みだけを完全に止めてしまいますと
自分の身体の状態がどうなのかが分からなくなってしまい、
無理をしてしまうことがよくあります。
これは、痛みに対しての治療の盲点の一つだと思います。


←前回記事へ 2003年5月6日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ