虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第64回
紅茶の美味しい喫茶店♪

中国は衛生状態が悪いから
生水を飲むと下痢をするとよくいわれますが、
その原因は水が不衛生というよりも
水の性質が硬水だからという理由のほうが
大きいと考えられます。

一般に、硬水とは
水の中のカルシウム・マグネシウムなどの
ミネラル分の多い水のことを指し、
少ない水は軟水と呼ばれます。
全硬度(ミネラルの含有量)で分類しますと、
14以上を硬水・8程度を中硬水・3以下を軟水とします。
また、硬水は飲むと
便が軟らかくなる傾向があるので、
日本人のようにいつも軟水を飲んでいる者は
硬水に慣れるまでは
少し軟便や下痢気味になることが多いようです。

硬水と軟水では、
漢方薬などを煎じる場合や
紅茶やコーヒーなどを入れるときにも
少し勝手が違ってきます。
例えば、日本と中国では
漢方薬に使う生薬の量がかなり違うのですが、
その理由は日本は軟水で成分が抽出されやすく
生薬の量が少量でよいためと主に考えられております。
同じ理由から、日本では
紅茶やコーヒーを入れるときの茶葉や豆の量も
少なくて済むようで、味も美味しくなるという話です。

また、神戸に行きますと
宮水という井戸水で作るコーヒーのお店があり
たいへん美味しいと評判ですが、
その宮水は特に軟水寄りの水であります。
※紅茶も美味しいハズです。

さらに、日本で作られている洗剤や石っけんは
軟水に対応しているため、
硬水がほとんどを占める海外では使用しても
ほとんど汚れが落ちないそうです。
また、ご飯を炊くときも一般的に軟水がよいとされています。
その理由は、硬水に多く含まれるカルシウムには
食物繊維を硬化させてしまう働きがあるので、
硬度の高い水で炊くとご飯がパサついてしまうためです。


←前回記事へ 2003年6月24日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ