虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第145回
男性にも、被害が拡大しています

「メニエール症候群」という、
目まいが主な症状で難聴・吐き気・
嘔吐・耳鳴りなどを伴う病気があります。
この病気は、以前は
女性の患者が多かったのですが、
今では30〜40代の男性にも
患者が増えてきているという話です。

目まいの発作は、
軽ければ数分から数時間、
重いものになると2〜3日続くこともあります。
また、症状が治まっても、
完治することは難しく
同じような発作を何回も繰り返します。 

西洋医学では、
メニエール症候群は
自律神経の異常・アレルギー・
血行不良・水分代謝の異常などにより
平衡感覚に障害が起きたものといわれていますが、
ハッキリとした原因は分かっていません。

一方、中医学では、
メニエール症候群は
主に脾の障害から起こる病気とされ、
脾の弱りからくるものと
胃腸の水はけが悪くなって起こるものとに
大きく大別されます。

脾の弱りが原因の場合には、
低血圧や自律神経失調症を伴うことが多く
立ちくらみや身体の動揺感が主な症状になります。
また、胃腸の水はけが悪いものの場合は、
回転性の激しい目まいが特徴で
耳鳴りや難聴の症状も
同時に起こりやすいものです。

前者には、気を補う作用が強い
黄耆(おうぎ)と朝鮮人参を配合した
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬が、
後者の場合には、
神曲(しんきく)という漢方の消化剤が配合された
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)という
胃腸を丈夫にして
お腹の中の水はけをよくしてくれる漢方薬が最適です。


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