虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第179回
「炎症は、回復の始まり」

アトピー性皮膚炎の「アトピー」とは
ギリシャ語で
原因不明を意味する言葉だそうですが、
現代医学の立場から見てもそれは確かです。

西洋医学的に考えれば、
炎症は使い過ぎに対する
身体の警告反応であり、
組織が修復するように働くための
生体の防衛反応の一つでもあります。

つまり言い換えれば、
炎症は身体の修復過程の
始まりであるということですから、
手術やケガをした場合などでも
傷の部分は炎症を引き起こしますが
時間がたてば炎症は治まり
組織は修復されて傷は治癒していきます。

しかし、アトピー性皮膚炎では
患部が炎症を起こしていても
グジュグジュしたままの状態が続き、
いつまでたっても
なかなかよくなってはくれません。

通常の場合、このように
傷がなかなか治らないということは、
白血球の働き
すなわち免疫が弱っていることを意味します。
しかし、逆に免疫が過剰に反応した場合にも
傷の治りが悪くなります、
この状態がアトピーです。

中医学では、炎症を抑えるには
黄連(おうれん)や黄柏(おうごん)などの
寒涼の性質を持つ生薬が配合された
黄連解毒湯という漢方薬をよく使いますが、
アトピーの治療には、
それに四物湯(しもつとう)という
血液を補い血の巡りをよくし
身体を温める働きのある漢方薬を加えて
使う場合が比較的に多いものです。
この漢方薬は「温清飲(うんせいん)」といい、
文字通り患部は冷やしながら内部は温めます。


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