虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第180回
「ウコン」が主成分、アトピーの軟膏?

人間の皮膚には
体外の異物や刺激から身体を守るために、
「セラミド」という
バリアーの役目をしている層があります。

正常な人の場合では
この層が身体全体を均一に覆っていますが、
アトピー性皮膚炎(の方)の場合には
セラミドが不均一であったり欠損していたりするため、
外部からの刺激を
強く受ける状態になってしまっています。

つまり、皮膚が無防備な状態であるため、
紫外線・寒冷・乾燥・汗・空気中の汚染物質などの
外部からの刺激が、
セラミドの持っているクッション的な保護作用で
和らげられることなく
直接まともに皮膚に伝わってきてしまうということです。
そのため、弱い皮膚はさらに傷み、
傷みは皮膚のカユミや痛みを呼び覚まします。

ですから、
アトピー性皮膚炎の症状をよくするためには、
漢方薬の内服だけでなく
セラミドが修復できるようになるまで
皮膚を保護する
スキンケア的なものも必要になります。
中医学では、こういう場合には
中黄膏(ちゅうおうこう)という
黄柏とウコンが主成分の軟膏をよく使いますが、
その目的は患部を保護することと
患部を冷やして炎症を抑え症状を緩和することです。

また、アトピー性皮膚炎の場合、
入浴で汗や汚れを流して
皮膚を清潔に保つことは大切ですが、
長い時間お風呂につかったり
シャワーを長く浴びたりすると、
皮膚の修復を邪魔したり
皮膚を刺激するため、
あまりよくはありません。

お湯の温度は体温より少し高めがよく、
なるべく短い時間でお風呂から上がることです。
さらに、軟膏や保湿用のクリームを使うときは、
患部が完全に乾かないうちに
やさしく塗ってあげることが、
入浴後のカユミを防ぐ大切なポイントです。


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