虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第274回
「気がつけば、あなたもガン」 その2

40才までに発見されるガンと
50才以降に発見されるガンとでは、
ガン自体の性質がかなり異なる
という興味深い報告がいくつかあります。

それらの報告によれば、
40才までに発見されるガンは
成長のスピードが比較的速く
転移しやすいとされていますが、
50才以降に発見されるガンのほうは
成長のスピードが遅く
転移を起こす可能性も
割合いに低いといったような見方をされています。

例えば、他の病気で死んだ人を
解剖してみたら
「実はガンに罹っていた」という話を
耳にすることがありますが、
ほとんどのケースで
年齢が50才を大きく超えています。

また、40才ぐらいで
ガンが発見される方の場合では、
家系に何人かの
ガン患者がおられることが多く、
背景に遺伝子的な問題が
存在することが指摘されていますが、
50才以降のある程度の年齢になってから
ガンが発生した方の場合では、
遺伝子的な問題よりも
むしろ自然治癒力の低下のほうが
大きな要因になっていると考えられています。

現在、世界有数の長寿国である
日本では、男女の平均寿命が
80才前後の高い数字を示しておりますが、
そのことは、見方を代えれば、
日本人が自然治癒力を高める
世界トップレベルの素晴らしい環境で
生活しているという証明でもあります。

※現在、いろいろな健康法が
  世界中から日本に輸入され、
  テレビや雑誌などで注目を集めています。
  しかし、冷静に考えれば、
  日本のほうが健康のレベルは高いわけです。
  「青い鳥」の寓話ではありませんが、
  身近なものを軽視して
  無思慮に何にでも手を出してばかりいると、
  後で後悔する恐れは多分にあります。


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