虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第285回
「CoQ10にも、大きな落とし穴が?」

無用の長物と
長らく考えられてきた盲腸に、
じつは免疫物質の9割近くを作るという
大切な役割りがあることが
最近の医学では解明されてきています。

また逆に、今まで絶対に
必要と考えられていたものが
実はそれほど重要ではなかったり、
取り過ぎると反対に害になったりする話も、
いろいろなところでたびたび聞かされます。

現在、「CoQ10」が品切れ状態が続く
大変なブームになっておりますが、
前回にお話しましたビタミンEのように
CoQ10を無条件に大量摂取することは
当分の間控えたほうがよいと私は思います。
なぜなら、CoQ10もビタミンEと同じく、
脂溶性の抗酸化物質の一種だからです。

脂溶性の物質というものは、
身体の脂肪組織の中に
溶け込んでしまう性質があるため、
水溶性の物質に比べると
身体の中に長期間残留しやすく
効果も持続する代わりに、
副作用がある場合は
そちらのほうも身体に長く影響を及ぼします。

テレビや雑誌などで、CoQ10はまるで
不老長寿の妙薬のように騒がれておりますが、
人間の身体というものは
そんなに単純なものではありません。
例えば、酵素一つ取り上げても
人体には3000以上の種類が存在するのです。
CoQ10が人間にとって
必要不可欠な物質であることは確かですが、
たった一つの物質で
不老長寿の問題が解決するような
甘い期待はあまりされないほうが賢明でしょう。


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