虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第284回
「ビタミンEの摂取で、短命に」

日本では、ビタミンEは
老化や病気の原因になる
活性酸素を消す働きがあるといわれて
非常に人気がありますが、
「ビタミンEの大量摂取は有害である」
という研究結果が11月10日、
アメリカの心臓学会で発表されました。

欧米と中国の約13万6000人の
高齢者を対象に行われた
その臨床試験(最長約8年)によると、
毎日267ミリグラム以上の
ビタミンEを取り続けた場合の死亡率は、
偽薬を飲んだ人に比べて
約10%も高かったそうです。
また摂取量がその半分以下だと、
逆に死亡率が減少するという結果が出ています。

死亡率が高くなる原因は今のところ不明で、
試験参加者の大半は
他にもいろいろと持病があったため、
研究者たちは
さらなる研究が必要としていますが、
「完全に無害と分かるまでは、
ビタミンEの大量摂取は控えたほうがいい」

とコメントしております。

少し私論になるかもしれませんが、
このところ目の敵にばかりされている
活性酸素などの「酸化物質」も
本当は人間の身体にとって
非常に重要なもので、
あまり減らし過ぎると
逆に害が出るのではないかと思うのです。
長い年月を経て進化してきた
人間の身体の中で作られるもので、
一方的に害になるものなど
おそらく存在しないのではないでしょうか。

※現在、日本人のビタミンEの所要量は
  成人男性1日10ミリグラム、女性8ミリグラムで、
  摂取上限は600ミリグラムとされています。
  通常の食事から取れるビタミンEの量は
  1日大体10ミリグラム程度ですが、
  健康食品などでは
  1粒300ミリグラム以上含む製品も
  市場に多数出回っており、注意が必要です。


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