虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第307回
あの五嶋みどりさんが (その2)

先天的に聴覚が鈍感であるとか、
異常に丈夫であるというのなら話は別ですが、
通常の構造の耳をした人間であれば
楽器の奏でる大きな音や
鋭い音質の音を毎日のように聞き続けることは、
耳だけでなく身体のほうにも
物理的に大きな影響を及ぼすと思われます。

例えば中医学では、
耳は五臓六腑の「腎」と関係が深く、
聴覚に対しての物理的な刺激は
腎に大きな影響を与えると考えられています。

中医学でいうところの腎は
西洋医学の腎臓の働きだけでなく、
骨髄から脳を生じて
その華を髪に咲かせる働きも持っていますから、
腎が弱ってくると物忘れがひどくなったり、
髪の毛が潤いやツヤを失って
抜けやすくなったり細くなったりします。
さらに、髪の色がうすくなって
白髪になったりすることも当然起こります。

「恐怖のあまり、一夜で白髪になった」
という話を聞くことがよくありますが、
中医学では、腎は恐れという感情に
一番敏感なところとされていますから、
それはある程度納得のできる話です。
また、楽器の奏でる大きな音や
鋭い音質の音も、
腎に対して恐れのエネルギーになりえます。

五嶋みどりさんの場合でも、
彼女に起こった原因不明の拒食症は
精神的なストレスよりも
楽器の音による物理的な刺激が
主な原因でなかったのではないでしょうか。
その証拠に、精神的なストレスを
緩和する治療で効果が出なくても、
身体が成長してきたら
自然に拒食症が改善してきたと話されておりました。

つまり、少女時代の彼女には
楽器の音の物理的な刺激が少々強すぎ、
腎が一人前になるにつれて
抵抗力がついてきたということなのでしょう。

何はともあれ、五嶋みどりさん。
「みどり教育財団」でのご活躍、
私も陰ながら応援しております。


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