虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第308回
「とても寒い話」

昔のエスキモーの人たちは
氷の上で裸で寝ていた、
という話を聞いたことがあります。
驚きべきことに、
彼らは氷の上で裸で寝ていても
凍傷にかからなかったそうです。

しかし、現代のエスキモーの人たちが
そんなマネをしたら、
すぐに凍傷にかかってしまいます。
どうして彼らが
凍傷にかかるようになってしまったのか、
不思議に思った人類学者が
いろいろ調査したところ、
意外なところに
その原因があったことが分かりました。

実は、エスキモーの人たちの世界に
西洋医学が導入されて、
「そんなことしていると凍傷になってしまう」
と警告された途端に、
凍傷にかかり始めたのだそうです。

最近、終末医療の問題が
いろいろなところで論議されていますが、
エスキモーの人たちの
この話はとても参考になります。

例えば日本ではこのところ、
告知は患者さんのためだという考え方が
目立って主流になってきていますが、
アメリカで告知が盛んなのは
患者さんのためではなくて、
実は医師自身の保身のためだった
という隠された事実もあります。

つまり私が言いたいのは、
アメリカのように
患者さんに機械的に告知することは、
エスキモーの人たちの凍傷の話と同じく、
患者さんのためにならない場合が
決して少なくはないということです。


←前回記事へ 2005年1月13日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ