虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第331回
花粉症薬の危険な落とし穴?

花粉症の一番の原因であるスギ花粉は、
年初からの最高気温の合計が
450度を越える頃、
大体、2月の中旬に本格的に飛び始めます。

また、スギ花粉が飛散のピークを迎えるのは、
年初からの最高気温の合計が
750度に達したときとされ、
例年、3月上旬の晴天の日がそれに当たります。

今年は花粉の量が
去年の30倍以上ということで、
私のところでも、花粉症の相談が
ボツボツと増えてきております。
しかし、意外と多いのが
花粉症に使う薬の副作用による症状です。

先日も、頭痛が2ヶ月以上も続き
鎮痛剤を病院でもらって飲んでいるが
一向によくならないという方が来られました。
大きな病院へ行って精密検査をしても、
脳外科でMRIも撮ってもらっても
どこにも異常は見られないと言われます。
しかし、慢性に続く原因不明の頭痛で、
非常に困っているという話です。

念のため、病院でもらっている薬や
薬局で買った薬を見せてもらったところ、
市販の花粉症の点鼻薬があったため、
漢方薬は出さずに、
それを使うのをしばらく止めて
様子を見るようにアドバイス差し上げました。

それから3日後、
「ウソのように頭痛が消えました」と
奥さんと一緒にお礼に来られましたが、
やはりこちらが想像した通りに
点鼻薬に含まれている血管収縮剤が
原因不明の頭痛の原因だったようです。

市販されている花粉症の薬の多くには、
鼻水や鼻づまりを解消させるため、
内服薬、外用剤を問わず
血管収縮剤が配合されています。

血管収縮剤は、使い方を間違えたり、
血圧の高い人が使うと、
一時的に血圧の急激な上昇を引き起こし
頭痛や脳内出血の原因になることがあるので、
使用する前に添付文書を
よく読む必要があります。


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