虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第343回
バナナを腹部に注入すると・・・?

最近、バナナは
免疫力を高める働きを持つ果物として
注目されています。
先日も、その熟成の度合いと
免疫力との関係を調べたところ、
新鮮なものより熟したバナナのほうが
免疫力を高める効果が大きいという話が
インターネットの記事に掲載されていました。

その記事によれば、
店で販売しているものと同様に
エチレンガスで熟成処理した
バナナから抽出した成分を、
マウスの腹部に入れて
白血球の数や免疫力を高める
生理活性物質の量を実験で測定すると、
日数がたったバナナほど
それらの数や量が多く見られたそうです。

例えば、処理してから10日目のバナナは、
1日目のバナナに比べると
白血球の数が5倍以上も多く増えており、
生理活性物質の量は
5日から7日目のバナナが
最も多い実験結果が出るそうです。

しかし、よく考えてみれば、
この実験方法には
“初歩的な誤り”がある可能性があります。
なぜなら、この記事を読むと
抽出した成分をマウスの腹部に
直接入れてしまっているような意味にも
受け取ることができるからです。

通常、バナナは口から食べるもので、
腹部に注入するようなものではありません。
バナナの場合はどうかは分かりませんが、
こうした間違った設定の仕方をすると、
実験でいくらよい結果が出たとしても
臨床的には、
ほとんど意味をなさないことが
多いものです。


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