虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第346回
「この世の終わり」

現在、日本の病院で
大きな混乱が起こりつつあります。
なぜなら、今月から
個人情報保護法が施行されたからです。
病院によっては、外来の患者さんを
名前でなく番号で呼んだり、
病室から入院患者さんの名札を外して
記号で表示したりする動きさえ出ています。

誰がどの科を受診しているのか、
また入院しているかどうかなどの情報を、
本人の同意なく他人に教えると
個人情報保護法に抵触してしまうため、
こういった措置が
予防的に採られているわけですが、
「名前で呼ばないと、患者の取り違えなどの
 事故に繋がりかねない」、
「患者の個人情報保護に神経質になるよりも、
 病気を治すことのほうが先決」、
「患者名が他人に分からないようにして、
 事故が起きたら大変。医療の安全の方が大事だ」
などといった
現場の声もたくさん挙がってきております。

厚生労働省のほうでも、
個人情報保護に関する事例集を
3月末になってようやく公表しましたが、
外来患者を名前で呼ぶことなどについて、
「患者名は個人情報だが、
 どう受け止めるか患者によって様々で、
 医療機関が対応可能な方法を取ることが必要だ」
といった程度の見解しか示しておらず、
日本的曖昧さで
相変わらず傍観を決め込んでいるようです。

「上に政策あれば、下に対策あり」とは、
よく耳にする中国人の処世の言葉ですが、
今回の厚生労働省の
無責任な対応ぶりを見ていると、
これからはこのような中国的発想が
日本人にも必要な時期が来ている気がします。


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