虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第347回
野菜ジュースや青汁で、突然死?

先日、カリウムの不足が
身体によくないという話を致しましたが、
血液中のカリウム濃度の正常値は
3.5〜5.0mEq/l で、
5.5mEq/l 以上(高カリウム血症)になると
逆に人体に悪い影響を及ぼし始めます。

血液中のカリウム濃度が
正常値より高くなる原因として、
野菜、イモ類、果物(特にドライフルーツ)、
ナッツ類、肉、魚、玉子、牛乳などの
カリウムを多く含む食品を過剰に摂取した場合、
急性および慢性の腎不全などで
腎臓からのカリウムの排泄量が低下した場合、
細胞内のカリウムが何らかの理由で
細胞の外へと漏れ出した場合などが
主に考えられます。

以前、阪神大震災で
“クラッシュ症候群”というものが
救急医療の面で大きな問題になりましたが、
それも、足や腹部の筋肉が
長時間圧迫されて壊死や損傷を起こし、
壊れた筋細胞から
カリウムが多量に流出したことが原因です。
また、交通事故や怪我などによって、
筋肉が大きなダメージを受けた場合も同様に、
高カリウム血症が発症するケースがあります。

高カリウム血症になると
筋肉や神経系に異常が生じやすく、
筋力の低下・脱力感・シビレ・麻痺などの症状が
しばしば認められます。
しかし、何といっても怖いのは、
心筋に伝導障害が起こって
心臓が心停止などの
危険な状態に陥ることです。

現在、野菜不足解消ということで、
野菜ジュースや青汁などが
大きなブームになっておりますが、
中にカリウムも多く含まれているため、
使い方によっては、
危険な場合があることを
頭の片隅に置いておいてください。


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