未来の予測は難しいが
では「相場」という電車を動かしているのは何であろうか。私はこれは全体としての日本経済の動いて行く方向であり、その動きの中にあって各業界、各企業がどういう具合に変化して行くかという未来像ではないかと考えた。こうした日本経済の未来像をある程度、正確に把握することができたら、お猿電車もやがてそこまで辿りついて次の新しい相場が展開される。
したがって正確度の高い未来像をあらかじめ描くことさえできればよいわけだが、経済の未来に影響をあたえる要素は一つや二つではないから、もとより完璧を期することは困難である。多くのすぐれた相場師たちは持ち前のカンとひらめきで、相場をはるわけだが、私は、
(1)技術革新が日本経済の将来にどういう影響をあたえるか。
(2)企業は人なり、と言われるくらいだから、各企業のトップが自分の企業や業界がどうなると考えているのか。
この二つを正確に捉えることができたら、かなり目標に近づくのではないか、と考えた。
そこで当時、連載小説を執筆していた中央公論杜に出かけて行って、『中央公論』誌の編集長に「誰か科学技術について深くなくともよいが、万般について広い知識を持っている人を知りませんか」ときいた。そうしたら、デスクが吉村昌光さんという科学技術コンサルタントを紹介してくれた。
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