もちろん、経験を積んだ分だけ相場の動きだとか、各銘柄のクセだとか、株価の値頃感とかいったことには詳しい人がたくさんいる。しかし、これらの経験はいずれも過去の経験であって、知識も過去の株価に対する知識にすぎない。過去において起ったことがこの次も必ず起るならば、過去の経験や知識は役に立つかもしれないが、昔起ったことが将来も起る保証は何もない。だから小僧から叩きあげて社長になったベテランも、大学で経済学の理論をしっかり頭に叩き込んだ上に、洋の東西の株式投資の手引書を読みつくしたインテリ株式部長も、黒板に書かれた株価を前にして、うーん、と唸ったまま考え込んでしまうのである。
相場を動かしているのは、やはりこの人たちではないと私はどうやら気がついた。この人たちに、相場はこういう方向に動いて行くんだぞと啓示するものがあって、それがこれらの人々を納得させることができたら、相場はその方向に向かって動いて行く。私はそう考えるようになったので、兜町の証券マンや相場師たちを遊園地のお猿電車にたとえて、
「お猿電車はお猿が先頭に乗っているので、お猿電車と呼ばれているが、ご承知のように、お猿が竃車を動かしているのではない。お猿もまたうしろの乗客たちと同じように、動かしているようなフリをして乗っているのだ」
と雑誌に書いたことがある。
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