やっている当の本人もこのくらいの成功ではどうしてもあきたりないし、すぐ手もすくから、また次の仕事を考える。次から次へと考える新しい仕事が、いずれも似たようなスケールだから、アイデアの泉は尽きないかのごとく見える。つまり松下幸之助とか、本田宗一郎とかいったスケールになってしまったのでは駄目で、その証拠にこれらの人々にそういうアダナはついていない。
志賀直哉の小説に『小僧の神様』というのがあるが、庶民の神様になるためには、あまり庶民離れをしてはいけないのである。ビルの屋上に祭られているお稲荷さんだって、大好物は油揚げときまっていて、お賽銭はたいしたことはないが、誰にでもご利益がありそうに見えるのがミソなのである。
そういった意味では、私はいくつもいくつも仕事を手がけてきたし、失敗した例にも事欠かない。たとえば、私がコンサルタントの事務所をひらくと、いろんな事業家たちが新しい事業のニュースを私のところへ持ってきてくれる。本人たちは私に教えるために来るわけではないが、自分のところへ持ち込まれた仕事を手がけたものかどうか相談にみえる。相談を受けているうちに、自然に情報として私の頭の中に入ってしまうのである。
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