日台半々の出資で
その人の説明によると、剣道は終戦後、一時、下火になっていたが、最近はまた復興のきざしを見せており、文部省には高校の正課に組み入れようという動きもある。しかし、剣道具は、面、胴、小手、垂れ、竹刀などすべて手づくりで、手間がかかるばかりでなく、つくる人がいなくなってどこのメーカーでも困っている。
肌着と袴はミシン仕事だから、日本国内で何とかなるとしても、竹刀になるともうコストがかかりすぎて、日本の業者が台湾の竹南というところに進出して技術指導をしている。竹刀は値も安いものだし、手間がかかるといってもたいしたことはないが、面や胴など一式になると、いちいち手で縫うところも多く、日本では全くお手上げだという。
「知多半島のほうで、この仕事で日本でも一、二のメーカーがいます。その人も誘って合弁でやりましょう。その人に指導してもらって、製品は私のほうが引き受けますから、うまくいくと思いますよ」
私は誘われるままに知多にある石田という人の工場まで見学に行ったし、またつくる人も売る人も一緒に連れて台湾の現況見学にも出かけた。見学のコースには竹南の竹刀工場も加えて、バスを走らせて見学に行ったら、山の中の工場にちゃんと日本人の技術者がいて、竹刀は青竹からつくる工程で熱湯で茄でるのがコツだと説明してくれたりした。
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