温泉で元気・小暮淳

温泉ライターが取材で拾った
ほっこり心が温まる湯浴み話

第39回
願いを叶える氏神様

群馬県嬬恋村にある一軒宿、
奥嬬恋温泉「干川(ほしかわ)旅館」に泊まった晩のことです。
女将から不思議な話を聞きました。

同館では毎年、繁忙期になるとアルバイトを募集しています。
例年は断るほどの募集があるのに、
なぜかその年に限って1人の応募もありませんでした。

困り果てた女将は、昔から頼りにしている
信州のとある寺の僧侶に相談をしました。
すると僧侶は、旅館のすぐ近くある
小さな神社の名
を告げたといいます。

さっそく女将は、僧侶に言われたとおりに
酒と米を持って神社を詣で、願をかけました。
すると翌日、アルバイトを希望する若い女性から
電話があったといいます。

「地元では昔から願い事が叶う氏神様として
評判の神社なんですが、さすがにあの時は驚きました」

と話してくれました。

翌朝、私は同行のカメラマンと神社を訪ねることにしました。
近々彼が大きな手術を受けることになっていたのです。
それも、かなりの確率で後遺症が残ると言われている
難しい手術でした。
女将に言われたとおりの供物をして、
2人で一心に手術の成功を祈りました。
後日、無事に手術は成功しました。
それも一切の後遺症を残さずに!

実は知らないところで、奇跡が起きていたのです。
手術直前になり、急きょ、ゴッドハンドと言われている名医が
執刀をしてくれることになったのでした。

私は以前、この話を雑誌に書いたことがありました。
すると女将から電話があり、
「神社が大変なことになっています。
連日、大勢の人がやって来るので、役場の職員が出ています」
とのことでした。
私の記事のせいで、山の中の小さな村が
お祭騒ぎになってしまったようです。

でも女将は、こうも言いました。
「ありがとうございます。おかげさまで旅館の宿泊者が増えました
先日は『あの神社にお参りをしたら、子どもの病気が治ったので、
今日はお礼を言いに来ました』と、
また家族で泊まられたお客様がいたんですよ。
本当に願い事を叶えてくれる神様なんですね」
と、またしても驚きを隠せない様子でした。

不思議な話ですが、今でも願をかけにやって来る宿泊客が、
後を絶たないといいます。


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2012年4月11日(水)

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