温泉で元気・小暮淳

温泉ライターが取材で拾った
ほっこり心が温まる湯浴み話

第76回
日帰りプラン「0泊2食」

近年、温泉旅館が積極的に受け入れているのが、
昼前にチェックインして、夕食後にチェックアウトする
「0泊2食」の日帰りプランです。

全国の旅館やホテルで、0泊2食という旅のスタイルが
始まったのは2年ほど前から。
きっかけは観光業の不況により、
平日の宿の稼働率が低下したためでした。
その打開策として考えられた苦肉の策が
“泊食分離”です。
これまでの、温泉旅館は温泉に入って食事をして
宿泊するところという考えにとらわれず、
それぞれの機能を分離したサービスの提供です。
「温泉」「食事」「客室」のバラ売りを始めたのです。

これが今、若い女性や主婦たちに受けています。
「休みが1日しか取れない。でも温泉へ行きたい」という
忙しい現代女性に支持されたようです。
しかも宿泊が伴わない旅ですから、
諸々の事情で夜は家を空けられない人にも
手軽に利用ができます。

一般的な例を挙げると、午前11時にチェックインをして、
昼食をとり、午後は温泉に入り、散策をしたり、
部屋で読書などをして自由に過ごします。
そして夕食後の午後9時にチェックアウトとなります。

旅館やホテルによって、
チェックインとチェックアウトの時刻は異なりますが、
約10時間の滞在が可能です。
宿泊の場合は、一般的に午後3時のチェックイン、
翌日午前10時のチェックアウトですから、
滞在時間は約19時間です。
夜の睡眠時間を差し引けば、施設自体を楽しむ時間は、
あまり変わらないことになります。
しかも料金は、どこも宿泊より安く設定されています。
また1泊2食の宿泊の場合は夕食と朝食付なのに対して、
0泊2食は昼食と夕食付ですから、
料理の内容が充実しているというお得感もあります。

宿によっては、昼食か夕食のどちらかが付いた「0泊1食」など、
さらに手軽な日帰りプランを展開しています。
温泉事情も時代の中で、日進月歩の勢いで進化しているのですね。


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2012年8月18日(土)

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