イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第146回
中国本土のA株と中国本土のB株

中国には中国本土のA株に上場している企業でも
同じ中国本土のB株にも同時上場している企業が多くありました。
これは中国政府が
株式市場を通じて外貨獲得のための一つの政策でした。
2001年の2月初旬までは
中国本土のB株市場への投資は
海外の投資家しか購入することを認めていませんでした。
それまで中国人が買える市場は
中国株式市場のA株市場のみでした。

ところが中国政府が2001年の2月以降に
中国人でも外貨建てでのお金ならば
B株を購入できることを発表しました。
当然それまで外貨を持っていた中国人はB株を購入し始め、
株価は大きく値上りしました。
なぜなら中国本土のA株の株価が
B株を大きく上回っていたからです。
なぜA株よりB株のほうが株価が安かったかというと、
海外の投資家は
それまで中国の株式市場に対して疑問を感じていたからです。
疑問とは、はたして中国の企業の決算内容は信用できるのか、
情報開示はどこまで進んでいるのか、
今後の中国の成長を見極めてから投資を考える、
今は時期尚早、などの意見が多く、
つまり中国株式市場に対して信用がなかったのです。
このようなことからA株市場に比べると
海外の投資家に信認されていないB株のほうが
非常に株価は安かったのです。

この発表時に
中国のA株より同じ上場企業の株が安かったということは
中国人にとってはお買い得なわけですから
こぞってB株を購入しようとしました。
そのため買い物だけが出て、売り手が少なく
株価は暴騰したわけです。

では、今回のA株とH株の同時上場の銘柄に関しては
どう考えたらいいのでしょうか。
その頃は中国本土A株に同時上場しているのは
本土B株のほかに香港H株があるのは
海外の投資家には分かっていました。

ですが、その時に開放されたのはB株であって、
香港市場のH株ではありません。

このときにはいずれはH株にも日が当たって
中国人の投資家にもH株が購入できる日が来るのではないか、
ということの期待でH株も少しは株価が上がりました。
これが2001年の2月以降におこったことです。

ここから考えていけば
いつかは香港のH株も
中国本土に同時上場している株価に近づいていくことは
見当がつきます。
ですがこのような当然のことに
なかなか対応できないのが投資です。
毎日の株価を見続けていると、
それだけで充分刺激がありますので
つい目を奪われがちになります。
人間の心理としてはそれが実は当たり前なことでもあります。
ですが、長期的に投資し、
資産を造ろうと思ったなら
また考え方も変わってきます。
実際は上海B株に人気が集中していきました。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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