イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第228回
日清食品と河北華龍

日本企業の日清食品は
中国即席めん業界第2位の
河北華龍面業集団公司が発行する増資を引き受け、
資本参加すると表明しました。

出資額は約200億円で増資出資で同社の33.4%の株式を取得します。
この200億円という出資額は加工食品業界では最大規模です。
増資後の社名は「華龍日清食品公司」に変更になり
商品表示も「華龍日清」となります。

日清食品は1993年に中国に進出して市場を開拓してきました。
現在北京近郊、上海に4つの工場を持っており、
2.5%のシェアを確保しています。
売上でも香港を含み100億円程度です。
2.5%のシェアでも凄い数字です。
ですが河北華龍面業集団公司に資本参加することで合意しました。
なぜここでする必要があったのでしょうか。

日清食品以外では
東洋水産がアメリカでは約6割のシェアを確保しています。
また、中国ではサンヨー食品が
中国最大手トップ企業のカンシーフに33%出資し営業しています。
中国即席めん市場のシェアは以下のようになっています。

1位 カンシーフ  40%
2位 河北華龍   20%
3位 統一     20%
---  その他   17.5%
---  日清食品  2.5%

ここでは日清食品は
サンヨー食品に大きく後れを取っているのです。
これを奪回するべく
日清食品は台湾最大手の中国でもシェアで第3位の
統一と提携を模索しました。
ですが出資比率で合意に至りませんでした。
次に提携を考えたのが河北華龍です。
河北華龍は即席めん業界では第2位ですが
市場のシェアで見ると
カンシーフの40%の半分の20%しかありません。
河北華龍企業は現在中国本土に16の工場、120の営業拠点、
従業員は1万4000名。

2003年期末では、
売上 --- 30億元(390億円)
純利益 --- 2億元(26億円)
となっています。

ここでのお互いのメリットとして
日清食品は中国での進出の遅れを取り戻しシェアを取りたい。
河北華龍は日清食品のブランド名を使うことで
市場のシェアの拡大を狙えます。
ここで両社の利害が一致しました。
河北華龍は日清食品の商品で
「出前一丁」などの単独ブランド商品の生産も行なう予定です。

また、河北華龍は日清食品から得た増資資金で
中国国内に5つの工場を新設し、
生産能力を3割引き上げる計画です。
販売網拡大と販売増で2006年、2007年には
グループで中国国内トップシェアを今後狙っていきます。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年4月22日(木)

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